2009年 11月 30日
マリリンな日曜日 |

前夜遅くまで起きていたので、珍しく十時すぎまで眠る。そして十時半には水の中に浮かんでいた。起きがけの水泳ほど気持ちのよいものはない。ほとどんど夢見心地である。五分足らずでプールまで行けるのが有り難い。
朝・昼食後妻とシュヴァービングのクリスマス市へでかける。マリエン広場の市が伝統的なクリスマスの飾り付けを中心とするのに対して、こちらはアート・工芸品が売り物である。妻は来週アイルランドまで娘を迎えに行くので、ホストファミリーのボイド家に持参するプレゼントを探すためである。
暖かい陽の降り注ぐ、風のない、穏やかな天気。ちょうど日本のお正月といった感じで、そのせいか人出も多い。この平穏で幸福な光景が隠しているものは何だろう、などと考えることもなく、小市民的にそぞろ歩く。
いったん帰宅して夕刻ふたたび、今度は息子も一緒に三人でオデオン広場まで。小さな映画館で「おくりびと」をやっていてそれを観るためである。評判通り映画は面白く、ドイツの観客たちの反応もいい。笑うべき所で笑いがあがり、泣くべき所ではクリネックスを引っ張り出す音が聞こえる。納棺師という題材自体に(詩的ならぬ死的な)情報としての価値もある。だが映画としてはいささか平板で公式的でありつまらない。
のんびりと落ち着いた日曜日には微量の毒が欲しくなるのだろうか。
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by foryoureyes
| 2009-11-30 14:34