2013年 05月 11日
シェイクスピアな一日 |
イマジストを急遽中断して「リア王」を読む。ミュンヘン室内劇団の公演を見に行くための復習である。前回読んだ時は、安西徹雄先生(一応恩師なのだ)の名訳に感心したが、今回は原作そのものに新しい衝撃を受けた。もしかしたら初めてシェイクスピアを分かったのかもしれない、と思う。
WC Williamsは「事物を離れて観念はない」がモットーだったが、シェイクスピアは事物(行為)と観念(言葉)の関係に徹底的にこだわっている。リア王は事物(父への愛)に忠実であろうとして言葉を拒んだひと(コーディリア)の悲劇、マクベスは(三人の魔女の)言葉に誑かされて、行為(王の暗殺)に駆り立てられた男の悲劇。そしてハムレットは言葉と事物の間で引き裂かれた男の悲劇である。
夜マクベスを読む。
by foryoureyes
| 2013-05-11 06:47