2012年 07月 15日
leica newcomer award |
昨年5月、ミワォッシュ詩祭でポーランドのクラクフを訪れたとき、ある写真展が開かれていた。土地の若い写真家たちが共同で作品を展示する、いわゆるグループ展だったが、ユニークなのは彼ら五六名がひとつの人格をでっち上げ、作品はすべてその架空の人称において発表されていたことだった。
ご丁寧に全員の顔をモンタージュした合成写真を使ったグッズまで作っていて、そのトートバッグはいま娘が重宝している。
ギャラリーの一角には個々のメンバーの作品集も販売されていて、そのひとつに私は強く惹かれた。店番の男の子に、これは素晴らしい、一部買いたいと差し出すと、はにかんで実は自分の作品集なのだと言う。薄っぺらい私家版の写真集に、その場でサインを貰った。
昨夜Leicaの公式サイトを覗いていると、今年度のバルナック賞が発表されていた。写真界で最も権威ある世界的な賞である。新人賞に相当するNewcomer Awardはポーランドの新鋭、Piotor Zbieskiに。そう、あのときの若者だったのだ。
by foryoureyes
| 2012-07-15 05:24