2010年 04月 08日
ディプティッヒ・連関の魔術 |
シャモトさんからの質問にお答えします。
ここ数日の写真はいずれもオリンパス・ペンで撮った写真です。
これはいわゆるハーフサイズといって、フィルム一コマを縦に割って二コマずつ撮影できるというもの。そうやって撮ったフィルムをフツーに現像してフツーにスキャンすると、ひとつの画面に二つの映像が現れる。
その二つの組み合わせは意図したものではなく、行き当たりばったりに撮った順番がそのままふたつ一組で見えるだけなのだが、これがなんとも面白い。
中世の宗教画にディプティッヒといって二枚一組の形式があり、これは旅のお供のお祈り用に携帯されたものだというが、それに通じる面白みがある。
リルケは詩人には所有と概念はなく、ただ連関があるだけだと云ったが、ペンで撮った二枚一組を観ていると、事物の粘着性に今更ながら驚かされるのである。だからこそ、詩という芸術形式が成り立ってもいるのだ。陽の下に新しきものなく、すべては組み合わせばかりなのである。
by foryoureyes
| 2010-04-08 02:10