2010年 01月 17日
firenze gallery vol. 2 |
フィレンツェには市場がふたつあるが、そのうちの新しい方の正面に書店がある。十五年ほど前、そこでダンテ「神曲」の地獄篇を買った。
その「地獄篇」は一時飛行機に乗るたびに持参して、お守り代わりにしていたのだが、一昨年の夏、日本語訳に挑戦して、その一部を雑誌に発表した。
今回は「煉獄篇」と「天国篇」を合わせて買い、そのうえにボッカチオの『デカメロン』まで買い求めた。ボッカチオはダンテに傾倒していて、『デカメロン』はDivine Comedy ならぬ「地上のコメディ」と称されることも。
さっそく「煉獄篇」と「デカメロン」を並行して読み始める。これまで「デカメロン」は中盤の不貞な人妻の話を拾い読みしたことしかなかったのだが、意外にもそのオープニングは酸鼻を極めるペストの惨状の描写であった。
いつかこれらの書物を自分なりの日本語で歌う日が来るだろうか。
by foryoureyes
| 2010-01-17 22:08