2012年 08月 26日
夏休み課題図書 その4 |
しばらく時間が空いてしまったけれど、この空間ではまだ夏休みが続いているのである。
東京ではオーストラリアの詩人、Michael Brennanとも会った。彼はここ数年、中央大学で教えながら、シドニーで詩の出版社を経営し、日本人詩人もこれまでに石垣りん、谷川俊太郎、小池昌代、そして四元康祐の英訳詩集を出版しているという奇特な人物なのでである。
実はマイケルとは6月にロッテルダムで会ったばかり、彼はポエトリー・インターナショナルのオーストラリア・エディターで、私の同僚なのである。
その彼から近く米国で出版する新詩集ゲラを渡された。これまでの叙情的なconfessional poemのスタイルからはぐっと変わって、超短編小説としても読めそうなカラフルな散文詩集である。
マイケルは私に日本語に訳して欲しいと言うのである、それも10月までに20篇も。以前彼の詩集『空は空』の日本語版を訳して出版したことはあるのだが、あの頃は他にやることもなくって暇だったからなあ、今はどう考えたって無理だよ。
そう言いながらページを繰り始めるうちに、どんどん読み進んで行ってしまう。そのうち頭の中に日本語声が響き始める。困ったなあ、だんだん訳す言う方へ気持ちが流れて行ってるよ。
タイトルは『Asylum』。政治的亡命と精神病院の二つ意味を重ねているらしい。これなんかも、どう訳せばいいのか悩ましい。だから面白くてついつい考え込んでしまうのだ。
by foryoureyes
| 2012-08-26 07:39