2012年 06月 11日
鵜飼い |
前回里帰りした折に、九州は筑後川沿いの原鶴温泉を訪ね、鵜飼いを見物した。と言っても鵜飼いは夜日が暮れてからであり、父は早々に酔いつぶれてしまったので、自分一人の見物である。
見る前は残酷な仕打ちだと思っていたが、舟の上から目の当たりにすると、鵜匠と鵜たちのsymbioticで共犯的な親密さが感じられた。反対に、スヤスヤ寝ているところを叩き起こされたと思ったら、あっという間に食われてしまう鮎はたまったものではないだろう。
水に潜っては鮎を咥え、食べた途端に吐き出す羽目になる鵜の姿が、意識の底から言葉を拾ってきては白紙の上に書きつける詩人の姿に重なる。問題はそのとき詩人を縄で操っている者が誰かと言うこと。
それを見極めるために、なお書き継ぐ。
by foryoureyes
| 2012-06-11 04:00