2010年 01月 28日
人間に媚びない風景 |
月曜日から極地に来ている。
着いたのは夕方だったがすでに陽はとっぷりと暮れ気温はマイナス17度だった。
翌火曜日は快晴で、少しは暖かくなるかと思っていたら逆に下がってマイナス20度を超えた。
今日は少し「緩んで」マイナス15度である。
木々も建物も道路もすべて白一色で非現実的なばかりの美しさである。
寒さに凍えつつも思わず見とれてしまう。
ドイツの冬景色は人間に挑んだり、からかったり、微笑みかけたり、なんらかの関係を結んでいるが、ここの風景は超然としていて、人間の存在など気づいてすらいないかのようである。
だが土地の人まで口をそろえて美しい、夢のようだとあたりを見回している。
ここのところ暖冬続きでこれほどの寒さと雪は10年ぶりくらいだという。
マイナス20度の戸外を若い娘が闊歩し、子供たちが学校へ通い、自転車に乗るつわものもいる。
本人はたんたんと歩いているだけなのだが、見ているだけで力が湧いてくる。
その姿は、日本の都市の雑踏を流れる群集と鮮烈な対照をなしている。
by foryoureyes
| 2010-01-28 02:31