2009年 11月 15日
結び目の秘密 |
今朝は起きだした後のベッドのシーツとカバーの乱れ具合が実に絶妙だった。
朝日が昇るにつれて刻々と変る陰翳に飾られたそれを眺めて飽きることがなく、写真に撮ったりもした。
衣服の襞、髪の毛のカール、リボンの結び目などに宿った秘密を誰よりも深く知ろうとしたのは、洋の東西を問わず中世の画家や彫刻家たちではないだろうか。ダ・ビンチのスケッチブックはそのような細部の習作で溢れている。彼らは貴婦人のドレスや、食卓の上のナプキンの皺や、幼子の巻き毛をひたすら上手に描くことを目指していたのだろうが、結果としてそれは、宇宙にみなぎる混沌たるエネルギーの可視化という行為になった。
パソコンを見るたびに思う。表のディスプレイに映し出される無数の情報よりも、その裏側で絡まり、やまたのおろちの如くのたうちまわる原色のケーブルの方が、より多くを示していると。
by foryoureyes
| 2009-11-15 05:52